相続される財産の中で主たるものとなる「預金口座」ですが、被相続人の生前より相続人が把握できていれば問題はありませんが、把握できていない状態でお亡くなりになってしまうケースもあります。
しかし同居をしていた親であったとしてもどこの銀行口座を持っているか知らないという事も珍しくありません。
ここでは、そのような場合にどのような方法で預金口座を探せばいいのか探し方の例を紹介します。
預貯金口座の見つけ方・調べ方
通帳やキャッシュカードを見つける
遺品整理を行い通帳やキャッシュカードを保管してそうな場所を探しましょう。
鍵のかかる引き出しなど貴重品を保管しているような場所があればそちらも確認してみましょう。
金融機関からの郵便物を確認
金融機関から届く郵便物があります。金融機関名を確認することができれば口座の有無を確認する大きな手がかりになります。
記念品や粗品を確認
銀行によっては、銀行の名前の入ったタオルや文房具などの粗品を贈呈している場合があります。金融機関名が記載された品がないか探してみましょう。
税理士に確認
生前に税理士に依頼して確定申告を行っていた場合には、口座に関する書類を預けている可能性があります。
近所の銀行に直接問い合わせる
新規での口座開設は原則として自宅や職場の近所などの生活圏内でしか開設ができません。故人の生活圏内にあった銀行に直接問い合わせるのは地道ですが良い方法です。
把握できている銀行口座の振込履歴
所有する他の口座に入金を行うために既存の口座からの振込を行っている場合もあるので、他の銀行口座への入金がないかを確認してみましょう。
ネット銀行口座の調べ方
ネット銀行の場合には、キャッシュカードや通帳が発行されない場合も珍しくないため手がかりを探すのはより大変です。
ネット銀行の口座を持っている可能性がある場合には以下の方法で口座を調べてみましょう。
メールを確認
ネット銀行では郵便物の代わりに、メールでの案内を行っています。故人のメールアカウントの受信メールを確認してみましょう。
インターネットブラウザを調べる
ネット銀行の場合には利用のためにインターネットブラウザよりログインしてサービスを利用します。
故人が利用していたPCやスマートフォンのブラウザの「ブックマーク」や「履歴」を確認してみましょう。
配布されるトークンやアプリを確認
振込処理などの取引の際にセキュリティ対策として「トークン」や「パスワードカード」という物理的な端末が配布されることがあります。
同様のセキュリティ対策として、専用アプリでの取引を行う銀行もあるのでスマートフォン端末内に銀行のアプリが無いかも探してみましょう。
銀行への預金口座有無の確認方法・必要書類
銀行に対して直接被相続人の口座の有無を問合せを行う場合には、どのようにして問い合わせを行えばよいのでしょうか。
同一銀行であれば複数の支店があっても一括で確認してもらえる
故人の利用してそうな銀行は特定できても、支店までは把握できていない場合でも銀行に問い合わせれば同一銀行内の全支店を対象に一括で確認(「名寄せ」といいます)を行ってもらえます。預貯金口座の他に株や投資信託の取引口座を保有していた場合にはそちらも確認することが可能です。
しかし当然ながら別の銀行に関しては対象外となるので、調査して欲しい銀行毎に確認の依頼を行いましょう。
確認手続きができる人
相続人であれば誰でも可能です。
また預金の引き出しを行う際とは異なり、他の相続人の同意を得ること無く単独で確認することが可能です。
訪問して確認を行う前に予め必要な書類を金融機関に確認しておきましょう。
一般的な必要書類例
- 故人の死亡診断書 もしくは戸籍謄本(除籍謄本)
- 請求者(相続人)の戸籍謄本(故人の戸籍謄本で相続人であることを確認できない場合)
- 請求者(相続人)の印鑑証明書と実印
問い合わせ先の金融機関によって必要な書類の内容は異なる場合があるので直接問い合わせお願いします。
【注意】休眠口座になってしまいます
長い間取引実績がない口座(最後の取引から、銀行の場合は「10年」、ゆうちょ銀行の場合は「5年」以上経過)は「休眠口座」として扱われます。
休眠口座となった預金は国のお金という扱いになり「国庫」に入ります。
手続きを行うことにより預金の受け取りや口座の解約を行うことも可能です。しかしその手続きを行うことも大変なので休眠口座にならないように注意しましょう。
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