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相続 相続財産(遺産)

相続財産(遺産)となる財産の種類 プラスの財産だけでなくマイナスの財産の存在にも注意を

投稿日:2017年1月31日 更新日:

相続財産(遺産)にはどんなものがあるんでしょうか?被相続人の所有していた財産の中にはプラスとなる財産だけでなく、マイナスとなる負債などの財産なども存在するので相続財産がどんなものがどれくらいあるのかを確認するのは重要です。ここでは遺産の種類と主な例を見てみましょう。

相続人は相続する財産を正しく把握しておかないと危険

被相続人(亡くなった人)の所有していた財産や権利は、遺言や相続人同士での話し合いによって遺産を分割して相続します。
これらの相続人に受け継がれる財産や権利となる「相続財産(遺産)」には、相続することでプラスとなる財産の他にマイナスとなる財産も存在します。

相続した場合、プラスもマイナスも引き継ぐことになります。
ただしマイナスの財産の方が多い場合には、相続人の負担となってしまうので相続を放棄するという選択肢があります。
しかし相続の放棄を行うためには、被相続人の死亡後3か月以内に何もしなければ全て相続することになってしまうので、相続人は相続する財産を正しく把握しておいた方が良いです。

【関連】相続開始からの相続手続きの流れ・スケジュール「何をいつまでにやらないといけないの?」

【関連】遺産に借金がある場合も相続しなければならないの?相続方法の種類「単純承認・相続放棄・限定承認」について

相続財産の種類と主な例

プラスの財産

  • 不動産(土地・建物)
  • 現金・預貯金
  • 株式・公社債
  • 債権(貸金・売掛金・未収金・手形・小切手)
  • 損害賠償請求権(交通事故・その他)
  • 動産(自動車・家財道具・貴金属・古美術品・絵画・骨董品)
  • 特許権・実用新案権・意匠権・商標権
  • 農地・山林
  • 退職金
  • 生命保険金(被相続人自身を被保険者および受取人とする保険契約の場合)
  • 借地権・借家権
  • 電話加入権
  • ゴルフ会員権

被相続人が愛用していた物や衣服などは、高額な物を除き形見分けとして考え遺産分割の対象とはなりません。

生命保険金、死亡退職金はそれぞれ「500万円×法定相続人分」は非課税財産となる。

マイナスの財産

  • 債務(借金・買掛金・未払金・手形・小切手)
  • 連帯債務、保証債務
  • 損害賠償責任(交通事故・その他)
  • 未払いの税金(所得税・住民税・固定資産税など)

借金などのマイナス財産も相続されるので、この存在把握は非常に重要です。

遺産分割の対象とならない財産(非課税財産)

  • 家系図
  • 祭具(位牌・仏壇・神棚)
  • 墳墓(墓石・墓碑・遺骨)

祭祀財産は、遺言などで指定された祭祀を主宰すべき継承者1人に全て相続される。また相続税はかかりません。
相続放棄をした場合でも祭祀承継者になることはできる。

相続財産にならないもの(相続できないもの)

  • 運転免許証
  • 年金受給資格

被相続人本人でなければ資格を引き継ぐことができない権利義務は被相続人本人に限るもので、相続人は引き継げません

こんな時の扱いはどうなる?

葬儀での「香典」は?

通夜・葬儀にて喪主に贈られる「香典」の扱いについては、喪主に対する贈与とみなされます。
そのため相続財産には含まれません

被相続人が友達の連帯保証人になっていた場合は?

被相続人が誰かの保証人になっている場合や経営する会社の借入金の連帯保証人になっている場合も、マイナスの財産として相続人に受け継がれます。
会社の借入金の連帯保証人の場合には、その存在を把握しやすいですが友達の借金の保証人になっている場合には、相続人がその事実を知ることは難しいので十分に注意する必要があります。

葬儀費用とされるもの

  • 埋葬、火葬その他に要した費用
  • 被相続人の職業や財産から相当と認められた費用(お布施、読経料、戒名料など)
  • 葬儀前後に要した費用で通常の葬儀に伴うものと認められたもの
  • 遺体の捜索や運搬に要した費用

葬儀費用と認められないもの

  • 香典返礼費用
  • 墓地の購入及び墓地の借入料
  • 初七日、四十九日の法要費用
  • 医学上や裁判上の特別処置に要した費用

 

 

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